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事例紹介
事例紹介
法定後見制度(後見型)
同居している長男が最近車を買い替えたり
自宅をリフォームしたりしていて、
母が老人ホームに入所するための費用がなくなる
のではないかと心配。
相談
同じ話を何度もくりかえし、二男である私の名前も思い出せないほど、ここ1年で母の認知症が進行してきて不安に感じています。母の通帳は同居しながら母の面倒を見てくれている長男が預かって管理しているはずですが、最近車を買い替えたり自宅をリフォームしたりしてやけに羽振りが良くなっています。
もしかして母の預金を勝手に使い込んでいるのではと思い、長男に母の通帳を見せてほしいと頼んだところ、何かと理由をつけて見せてくれません。
私は母と長男が住む実家からとても離れた所に住んでおり、こまめに母の面倒を見てあげることができないのですが、長男も適切に母の面倒を見られないのではないかと心配しています。
母の通帳を長男から取り戻してもらい、財産の管理や施設との契約を誰かにお願いできないでしょうか?また、成年後見人が選任されたとして、まだ先の話ですが母が亡くなった後、残った遺産は誰に引き渡されるのでしょうか?
回答
財産の管理や施設との契約を誰かにお願いしたい場合には、成年後見制度の類型の一つである、成年後見人の申立てを利用することをおすすめします。
この成年後見人の申立ては、二男である相談者一人からでも申し立てることが可能で、長男の承諾は特に必要ありません。成年後見人の選任は裁判所が職権で行うのですが、今回の場合、長男も二男も成年後見人に選任されることはないでしょう。
なぜなら親族間で争いがある場合には、家庭裁判所は親族以外の公平な立場で成年後見業務ができる職業成年後見人(司法書士・弁護士など)を選任することが予想されるからです。
家庭裁判所から選任された成年後見人は、お母様の財産を管理する権限と義務があるので長男に通帳の引き渡しを求めます。
たとえ長男が引き渡しを拒絶したとしても問題ありません。
成年後見人がお母様の口座のある金融機関で手続きをすると、新たな通帳が成年後見人に発行され、今後長男は預貯金の引き出しができなくなります。お母様の通帳の入出金履歴を調査した結果、車やリフォーム代金が引き出されており、長男がお母様の金銭を勝手に使い込んだことが判明すれば、場合によっては長男に引き出した金銭の返還を求めることもあり、話し合いで解決しない場合には裁判になることもあります。
その他、成年後見人の職務には財産管理だけでなく身上監護というものがあり、お母様の治療や入院手続き、生活環境の整備、施設などへの入退所手続きなどをおこないます。たとえば、お母様の掛かり付けである病院のソーシャルワーカー、ケアマネジャーなどと連携して、条件と予算などを検討し、お母様にとって最良の老人ホームを探すことなどを行います。
また、「母が亡くなった後残った遺産は誰に引き渡されるのでしょうか?」とありますが、お母様が亡くなると成年後見人の業務は終了し、ご葬儀などは相続人間で話し合って執り行うことになります。
一般的には相続人間で話し合って決めていただいた代表の方に、相続財産を引き渡すことになりますが、お母様名義の口座を解約したり、株式や不動産の名義変更手続きを行うことがご負担であれば、別契約として司法書士に相続手続きの依頼をすることが可能です。
悩みや心配ごとがあったら
まずは司法書士にご相談ください。
一人暮らしで子どもがいないため、将来、認知症や病気になった時のことが心配。
一人息子に3年前に先立たれ、妻まで亡くなりましたが妹には頼れません。今後、自分が認知症になった時だけでなく、直近の色々な財産管理をお願いしたい。
一人暮らしの母の物忘れがひどくなり、自宅を売って施設の入所費にしようとしたところ、認知症が進行し自分で契約ができなくなって困っています。
同居している長男が最近車を買い替えたり自宅をリフォームしたりしていて、母が老人ホームに入所するための費用がなくなるのではないかと心配。
物忘れのある⺟がリフォーム⼯事を行っていた。今後、またリフォーム契約や高額な商品を買わされたりしないか心配。
30代前半の軽い知的障害の息子がいますが、私が倒れてしまったら、お金の管理や様々な手続きをどうしたら良いのだろうかと、先々が心配。
リーガルサポートとは
リーガルサポートは、
現在の成年後見制度のスタートに先立ち、
成年後見制度の利用の促進や啓発活動、
そして第三者後見人の供給源として、平成11年12月に
司法書士を
正会員として設立された公益社団法人です。
リーガルサポートは、
成年後見制度に関する法律だけでなく、
倫理や福祉・医療に関する分野等
幅広いテーマの様々な研修を実施し、
より質の高い第三者後見人を養成するとともに、
後見業務を受任している会員に対しては
一定の業務報告を求め、
会員の執務支援及び執務の適正さの
確認を行っています。