TOPへ
事例紹介
事例紹介
法定後見制度(後見型)
一人暮らしの母の物忘れがひどくなり、
自宅を売って施設の入所費にしようとしたところ、
認知症が進行し自分で契約ができなくなって困っています。
相談
わたしの母は、5年前に父が他界してから一人暮らしをしています。最近は足腰が悪くなり、物忘れがひどくなってきたので、母をこのまま一人暮らしさせるのは心配で、施設に入所するように勧めているのですが、入所費が高くて手持ちのお金では足りないようです。
そこで、現在母が住んでいる自宅を売って、入所費に充てることにしましたが、最近では認知症が進行してしまい、母は自分で契約することができなくなってしまいました。
こんな時一体どうしたらいいのでしょうか。
回答
お母さまの判断能力に応じた成年後見制度の利用を検討しましょう。
認知症になり判断能力が不十分となった場合には、自分で自宅を売却することはできず、家族の方が代わりに売却することもできません。
もしその状態で売買契約を結んでしまったとしてもその契約は無効となってしまうため、「成年後見制度」を利用することになります。
成年後見制度とは、判断能力が不十分な方々を法律面や生活面で保護したり支援したりする制度で、判断能力が不十分な方々が財産侵害を受けたり、人間としての尊厳が損なわれたりすることがないようにサポートをします。具体的には、不動産を売却したいときや、預貯金の管理をしてほしいとき、遺産分割をしたいとき等の「財産に関する法律行為」や、施設の入所契約をするときや介護契約をするとき等「生活・療養看護に関する法律行為」について成年後見人が本人の代わりに行うことができるというものです。
今回の場合、成年後見人が選任されると、成年後見人はお母さまがこれからどのように過ごしていきたいのか、本当に自宅を売却したいのか、十分に意思を確認し、お母さまにとって医療・介護の面からみて最良の方法を検討していきます。その結果、売却することになった場合には、成年後見人がお母さまを代理して自宅を売却することになりますが、居住環境が変化することはお母さまに大きな影響を与えるため、事前に家庭裁判所へ許可の申立をして、その許可を得る必要があります。ただし、成年後見人が選任されたとしても預貯金等の他の資産がある場合には、必ずしも自宅の売却が許可されるとは限らないという点には注意が必要です。そして、そこで選ばれた成年後見人は売却が終わったあとも、引き続きお母さまの権利をまもるために携わらせていただくことになります。
悩みや心配ごとがあったら
まずは司法書士にご相談ください。
一人暮らしで子どもがいないため、将来、認知症や病気になった時のことが心配。
一人息子に3年前に先立たれ、妻まで亡くなりましたが妹には頼れません。今後、自分が認知症になった時だけでなく、直近の色々な財産管理をお願いしたい。
一人暮らしの母の物忘れがひどくなり、自宅を売って施設の入所費にしようとしたところ、認知症が進行し自分で契約ができなくなって困っています。
同居している長男が最近車を買い替えたり自宅をリフォームしたりしていて、母が老人ホームに入所するための費用がなくなるのではないかと心配。
物忘れのある⺟がリフォーム⼯事を行っていた。今後、またリフォーム契約や高額な商品を買わされたりしないか心配。
30代前半の軽い知的障害の息子がいますが、私が倒れてしまったら、お金の管理や様々な手続きをどうしたら良いのだろうかと、先々が心配。
リーガルサポートとは
リーガルサポートは、
現在の成年後見制度のスタートに先立ち、
成年後見制度の利用の促進や啓発活動、
そして第三者後見人の供給源として、平成11年12月に
司法書士を
正会員として設立された公益社団法人です。
リーガルサポートは、
成年後見制度に関する法律だけでなく、
倫理や福祉・医療に関する分野等
幅広いテーマの様々な研修を実施し、
より質の高い第三者後見人を養成するとともに、
後見業務を受任している会員に対しては
一定の業務報告を求め、
会員の執務支援及び執務の適正さの
確認を行っています。